Q：我が家に来て5日目の子犬が、決まった時間でもないのに急に高い場所へ登り、遠吠えのように鳴きます。アパートで内緒で飼っているので、ご近所に気付かれないか不安です。遠吠えは成長したら自然になくなるのでしょうか？ しつけで改善できますか？
A：
初めて迎えた子犬の「遠吠え」に戸惑う方は多く、特に集合住宅では音の問題が大きな悩みになります。今回のケースでは、“子犬の不安”が原因で起きている可能性が非常に高いと考えられます。
遠吠えの本能と、今回のケースの違い
犬の遠吠えには、オオカミ時代の名残りとして、
- 仲間への存在の伝達
- 群れの位置確認
- テリトリーの主張
といった意味があります。
しかし、迎えて5日目の子犬が一人で遠吠えする場合、その多くは「環境の変化による不安」からくる行動です。
リーダー（飼い主）との関係がまだ築けず、以前の環境から急に切り離されたことで、心の安定が保てていない状態と言えます。
子犬が遠吠えする主な理由
以下は検索されやすい悩みと合わせた代表的な要因です：
① 新しい環境への不安
部屋・匂い・音・家族構成…すべてが初めての状況。
子犬にとって「群れがいない」状態で、寂しさや緊張から遠吠えにつながることがあります。
② 早期離乳や早期分離
親犬や兄弟犬との時間が極端に短いと、精神が安定しづらく、
不安吠えや遠吠えが出やすくなります。
③ 分離不安症の芽生え
飼い主が見えないだけで不安になり、鳴き続けるケースもあります。
放置すると「留守番ができない犬」になることもあり、早期の対処が大切です。
子犬の遠吠えを抑えるための対処法
1. まずは「不安を理解し、叱らない」
大きな声で叱ったり、叩いたりすると逆効果です。
不安が増長し、鳴き癖が強くなる場合があります。
2. 良い行動をしたら徹底して褒める
- 静かにしている
- 飼い主の指示に従えた
などの行動は、ご褒美や声掛けで強化すると安心感が育ちます。
3. 環境の急な変化を避ける
引っ越し直後や家具の移動など“環境の再変化”は、子犬には大きなストレス。
今は落ち着いた生活を優先してあげましょう。
4. 家族（＝新しい群れ）にゆっくり慣れさせる
人との触れ合いで「ここが自分の居場所だ」と理解できると、
不安吠えは自然に減っていきます。
5. どうしても改善しない場合
動物病院での相談により、
- 不安軽減の薬
- 行動治療
などの選択肢もあります。
6. 正しいしつけ（指示・境界線）を学ぶ
家族をリーダーと認識できるよう、
しつけ教室や動物病院で基本を学ぶことを強くおすすめします。
遠吠えはしつけで改善できる？
結論：多くの場合、時間と適切な関わりで改善します。
ただし、
- 分離不安症
- アルファ症候群（犬がリーダーになろうとする状態）
につながる可能性もあるため、早めの対処が安心です。
（監修：NPO法人アニマルワン）
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